今日ご紹介する映画は『聖なる犯罪者』です。

ポーランド出身のヤン・コマサ監督による作品です

若者が神父になりすましていた実話を元にした映画だよ〜!
この記事では、ストーリーの核である「ダニエルの嘘」に焦点を当て解説、ラストシーンなどにも触れていきます。結末やネタバレを知りたくない方はご注意ください。
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映画『聖なる犯罪者』はこんな方におすすめします
映画『聖なる犯罪者』の作品情報
タイトル | 聖なる犯罪者 |
監督 | ヤン・コマサ |
製作国 | ポーランド |
製作年 | 2019年 |
上映時間 | 115分 |
実話 | ◯ |
あらすじ
少年院に服役中のダニエルは、前科者は聖職に就けないと知りながらも神父になることを夢見ていた。
仮釈放され田舎の製材所で働き始めた彼は、ふと立ち寄った教会で新任の司祭だと名乗り、司祭の代わりをすることになる。
最初こそ村人たちは司祭らしからぬダニエルに戸惑うが徐々に彼を信頼するようになっていく。
数年前にこの土地で起きた凄惨な事故を知ったダニエルは、村人たちの心の傷を癒やそうと模索する。
しかしダニエルの過去を知る男の出現により、事態は思わぬ方向へと転がっていく。
おうち映画館の感想レビュー
「R18+」という事もあり、少年院での暴力描写は目が痛い。本作は家族で一緒に楽しめるような娯楽映画ではないが、すべての展開に引き込まれ目が離せなかった。

冒頭からラストまで観客は映画からの問いかけに翻弄されるでしょう!
映画『聖なる犯罪者』の監督
出典:https://www.imdb.com/
ヤン・コマサ監督
本作の監督を務めたのは、世界が注目するポーランド出身のヤン・コマサ監督

第92回のアカデミー賞では、国際長編映画賞にもノミネートされています
監督作品
- 『リベリオン ワルシャワ大攻防戦』
- 『ログアウト』
ヤン・コマサ監督の作品の中でも群を抜いて『ログアウト』は面白い。さすが名監督です!
ログアウト
余談になりますが、ログアウトの元ネタは、日本の「引きこもり問題」から着想を得たと話しています。チャットにハマる高校生を描いた作品です。
映画『聖なる犯罪者』のメインキャスト
出典:https://www.imdb.com/
バルトシュ・ビィエレニア
主演を務めたのは、28歳のバルトシュ・ビィエレニア。7歳で『星の王子様』の主役を務めたり、シェイクスピアなどの舞台に数多く出演などポーランドの若手スターです。

彼の演技は表情にインパクトがあるので、映画鑑賞後も頭から離れませんでした!
続いては、物語りは実話なのかお伝えしてから、ストーリーの核である「ダニエルの嘘」について解説していきます。
元ネタはポーランドを舞台にした実話だった
— 【公式】おうち映画館@相互フォロー (@outi_eigakan) July 6, 2022
本作はポーランドにおいて実際にあった元犯罪者が司祭になりすましたという事件に、インスパイアされた心が揺さぶれる作品です。
暴力やいじめが横行する少年院で、トマシュ神父の信頼を得たダニエルは、神父になる夢を抱くが、前科者は神父になれないと諭される。
上記のことがきっかけになり、借り出所した青年が立ち寄った村で司祭になりすます事件へと…
ダニエルが神父になりすます
出典:https://www.imdb.com/
出所後に立ち寄った小さな村の教会でとっさに神父だと嘘をついたことから物語は始まります。
ダニエルの嘘とは?
実は仮退院したダニエルは、遠く離れた田舎の村にある製材所で働くことが決まっていました。
村の教会に立ち寄ったとき、たまたま教会の司祭が療養のために村を離れるところだった。
そこで村人たちは新しく来た神父と勘違いされダニエルは嘘をついてしまったのです。
そのウソがトントン拍子で信じられてしまい、村人たちは最初は戸惑いながらも、いつの間にかダニエルを信じるようになっていきます。
村人たちのある事故をきっかけに揺れ動く
出典:https://www.imdb.com/
しかしダニエルが村人たちの抱える“事故”について触れたことで物語りは急展開していきます。
1年前、村人7人が死亡する自動車事故があり、スワヴェクという男が運転する自動車と修道女マルタの兄ら6人が乗る自動車が衝突したものでした。
村人は死亡したスワヴェクの飲酒運転が事故の原因だと決めつけていました。
事実は違った
しかしマルタから事故前の動画を見たダニエルはスワヴェクが原因ではないことを悟ります。
でも村人たちは憎しみの矛先はスワヴェクの妻であるエヴァに向けられ、エヴァは村から孤立状態に。
その状況を知ったダニエルは、スワヴェクの葬儀を行うと村人たちに伝えるのでした。
ラストは衝撃的な展開に
出典:https://www.imdb.com/
そして物語は、村人たちの抱える暗い部分を正しさをもって解き明かしつつ、なりすましたダニエルの正体が暴かれていく展開になります。
嘘ついて過ごす中、同じ少年院に入っていたピンチェルや、ダニエルが名前を偽って使っていたトマシュ神父の登場により正体が暴かれ少年院に戻ることに。
少年院では、ダニエルに弟を殺されたボーヌスが待ち受けており、襲われるのですが、ボーヌスの顔が潰れてしまうほど怪我を負わせてしまいます。
そしてシーンは変わり、村の教会では治療から復活した神父が戻ったり、住民に受け入れられたエヴァだったり、村人たちの幸せな描写が続きますが…
エンディングは衝撃的でした。ダニエルの悪魔に取り憑かれたような形相で少年院から脱走して終わります。村人たちの闇を救った彼はそこにはいませんでした。
ダニエルは何者なの?
出典:https://www.imdb.com/
劇中を振りると、ダニエルの人物像がよく分からないと感じる人は多いと思います。それはダニエルの過去が明確に描かれてはいなかったことが挙げられるからでしょう。
ダニエルはどういう人物なのか
犯罪歴のあるダニエルは聖職者になれませんが、村では真っ当に神父を務めていたし、実際にそれで救われるものがいたは事実です。
それまでの神父や町長は、狭いコミュニティ故に村人たちの意思を忖度して決まり事を決めていましたが、ダニエルは真っ直ぐに信仰や救済と向き合っていました。
とはいえ、ラストのような血まみれの姿を見ていると危うい一面もあるダニエル。彼は何者なのか、悪魔なのか、人間なのか。映画からの問いかけに心が揺さぶれます。
ラストのダニエルの狂気にも見える表情について
ダニエルが神父とウソをついてしまったことや、少年院にいる原因が無計画な殺人であることは紛れもない事実。
このように突発的な衝動で行動してしまう危うさを描いているシーンが多いのは、ダニエルは衝動的に自分を制御できない人間を描いていたのでしょう。
それがラストの狂気にも見える表情につながり、悪魔と人間の間で揺れ動いてる彼の心情を映したのかもしれません。ダニエルという男の掴めなさに魅せられた一本でした。
まとめ
ポーランド映画『聖なる犯罪者』をご紹介しました。
主演のバルトシュ・ビィエレニアの演技力に圧倒されて映画鑑賞後も彼の表情が頭から離れません。
あと元ネタは実際の事件をベースにしているけど、基本的に内容はオリジナルみたいです。

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