今回ご紹介する映画『クリーピー』は不気味な隣人の恐怖をスリラー仕立てで描いた作品。
黒沢清監督特有の描写方法が全面的に出ている内容でした。
この記事では、ストーリーの中心人物『不気味な隣人役の西野』の人物像を深掘りしていきながら解説。結末やネタバレを知りたくない方はご注意ください。
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クリーピー偽りの隣人のあらすじ

大学で犯罪心理学を教える元刑事の男が、一家失踪事件の分析を頼まれる。ひとりだけ残された長女の記憶をたどるも、真相はわからず。
一方で、妻と暮らす彼は、ある日隣人の娘から衝撃的な告白を受ける。深い闇が、彼ら夫婦もろとも飲み込もうとしていた。
クリーピー偽りの隣人の作品情報
公開日 | 2016年6月18日 |
監督 | 黒沢 清 |
原作者 | 前川裕 |
映画脚本 | 黒沢 清 池田千尋 |
実話 | 実際にあった事件をベースに作られた映画 |
クリーピー偽りの隣人の原作
第15回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞した前川裕による同名小説を、黒沢清監督が映画化したサスペンススリラー作品です。
前川裕の作風の特徴は、凄惨な事件を描くことです。身の毛もよだつ事件を多く取り扱っています。
クリーピー偽りの隣人のキャスト
狂気的な役を演じているキャストは一流の役者さん。
©2016「クリーピー」製作委員
冷静に物事を分析する高倉役の西野秀俊さん

高倉の妻役を演じた竹内結子さん

隣の住民
不気味な隣の住民を演じるのは香川照之さん
不気味な隣の住民の娘役は藤野涼子さん
クリーピー偽りの隣人のストーリー
ある事件をきっかけに刑事を辞め、犯罪心理学者として大学講師になった高倉(西島秀俊)は妻の康子(竹内結子)と共に新しい町へ越してきました。
すぐあいさつをしようと康子が隣の家へ行くとその家の主人西野(香川照之)が顔を覗かせるように…彼はどこか奇妙で話もうまくかみ合わず康子は少し気味悪さを感じます
1つの事件が鍵に…
ある日、大学で働く高倉の同僚が数々の事件を研究のためまとめているのを知り、その中の一つ、6年前に起きた一家失踪事件に興味を惹かれた。
そして同僚の誘いでその事件の現場となった家へと足を運ぶことになり、現場に着くと高倉はすぐに犯罪現場特有の雰囲気を感じるのです。
これ以上足を踏み入れてはいけない、そう感じ家に入ることなくその場を後にします。ある日高倉の働く大学にかつての相棒 野上(東出昌大)が現れ…
高倉が例の事件現場へ出向いていたことを知り、自分もその事件に引っかかっていることを告げ、二人でその現場へ向かうことに。
生存者
現場の近くに一人の女性が立っていました。それは事件の唯一の生存者、当時中学生だった早紀(川口春奈)でした。
彼女の存在を知っていた二人だったが何故彼女がこの現場にいるのかその時は分からなかった…彼女は覚えていることは警察に話したと事件の話は語らず足早に去ってしまいます。
元刑事の勘
高倉が家に帰るとそこには西野と澪の姿が、二人は康子に料理を教えてもらうために来ているのだという。しかしその時既に高倉は西野の奇妙な言動に不信感を抱いていた。
クリーピーで注目すべきは香川照之さんの演技力
黒沢清監督の作品には、ほぼ犯人役で出演している香川さんですが、不気味さといったらクリーピーが1番です。
- 無愛想で気難しい性格な態度
- 急に愛想がいい良き隣人に…
この難しい人物を巧みに演じています。
死体処理シーン
クリーピーは、猟奇札事件を題材にしていますけど、バラバラ死体は登場しません。
黒沢監督はR15指定になるのを避けたいとのことで工夫を凝らした死体処理方法で演出
どこにでも使われる資材を使い処理をしていくのですが、その死体処理する人間が誰かわかったとき恐怖を感じ…
一体西野という男は何者なのか?
西野家の主人は殺されており、なりすまして生活をしているのが香川さん演じる西野。
そして死体を処理しているのが、藤野涼子さん演じる西野澪が(男の死体)を手慣れている様子で、真空パックに入れ吸引しています。
母親は薬漬けにされている様子で、西野という男は何者なのか。背筋が寒くなりました
注射でマインドコントロールしてた?
劇中では、辛くなったらいつでも打ってあげるからと康子に言っているシーンがあります。
顔を上げっぱなしでじっと西野を見つめる康子の様子からしても、注射は非常に魅力的なものなのは間違いありません。
その注射を打たれると意識がもうろうとし、冷静に判断できなくなる状況な深刻に。そんな薬物を提供してくれる西野に依存していたのでしょう。
クリーピー偽りの隣人の感想
どうして不気味な隣人の西野に心を開いてしまうのか、その不可解さが気持ち悪さを生み、現実社会で実際に起きている洗脳殺人事件とリンクしてしまいました
ホームドラマ風なので安心していると、中盤から後半にかけて底知れぬ恐怖を感じることに洗脳支配の怖さを思い知らされる内容です。
一人で観ることはオススメしません。西野という人間は現実社会にも一定数いて、付け入る隙を絶対に逃さないのだと思います。
黒沢清監督独特のホラー的展開はやはりさすがです。背筋が寒くなる体験を是非!
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