【おすすめ邦画】死にたい時に観て欲しい泣ける映画『恋人たち』

今回はご自身も鬱の経験のある橋口監督が描くオムニバスムービー『恋人たち』をご紹介します。

「飲みこめない想いを飲みこみながら生きている人が、この日本にどれだけいるのだろう。今の日本が抱えていること、そして“人間の感情”を、ちゃんと描きたい。」

橋口亮輔監督

自分の今の状況が人生で一番最悪と感じているとしても、きっと大丈夫ってそっと支えてもらえる映画です。

以下目次からどうぞ!
この記事を書いた人
  1. 映像関係の学校卒業
  2. 映画ノート歴 : 3年
  3. 大手VODはすべて加入済み
  4. アニメ・邦画・洋画オールOK
  5. 実際に観た作品をレビュー紹介
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映画『恋人たち』の作品情報とあらすじ

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こんな方におすすめします

オススメ度
低い
高い
年齢
10代~
20代~
30代~
40代~
50代~
対象
男性
女性

作品情報

あらすじ
それぞれに異なる事情を持つ3人の男女の物語をつづる人間ドラマ。自分に興味を持ってくれない夫と気が合わない義母と生活している女性、同性愛者で完璧主義の弁護士、妻を通り魔に殺害された夫を中心にストーリーが展開する。

口コミ

監督のラジオのインタビュー聞いてDVDにて鑑賞。好きなタイプの暗い邦画。

リアルな風景、リアルな会話が流れてくるが、入ってくるセリフと入ってこないセリフが自然とあって、それが心地いい。

(Amazonカスタマーレビューより)

作品情報恋人たち
監督橋口 亮
出演篠原篤
成嶋瞳子
池田良安
黒田大輔
山中崇
内田慈
山中聡
リリー・フランキー
木野花
上映時間140分
実話一部○
評価

映画『恋人たち』キャスト紹介

篠塚アツシ (篠原篤)
右から2番目
通り魔殺人事件で愛妻を亡くし、健康保険料も支払えないほど貧しい生活を送っています。

犯人を極刑にしようと弁護士を訪ね歩きますが、力になってくれる者はいません。

妻がいなくなったことで、世の中に絶望しか感じていないアツシは、ついに堕落の道を歩もうとするのです。
高橋瞳子 (成嶋瞳子)
左から2番目
普段は弁当屋に勤め、日々率なく家事をこなし、不平不満は言わないものの姑や口数少ない夫との平凡な生活に飽き飽きしていました。

皇室の雅子妃に憧れ、皇居参観のビデオをみるのが日課。

趣味で恋愛小説を書き、いつか王子様が来て自分をマンネリ化した生活から救ってくれると少女のような夢をみています。
四ノ宮 (池田良)
左側
同性愛者で弁護士の四ノ宮は、夫を結婚詐欺で訴えようとする女子アナの相談に乗った帰り道、何者かに背中を押され、階段から落ち、足を骨折し入院。

学生時から思いを寄せていた友人の聡が妻子を連れて見舞いに訪れたことに歓喜します。

しかし、四ノ宮が向ける息子への視線に聡の妻が不審がり、聡は四ノ宮から距離を置きます。

入院中、見舞いに訪れた恋人も四ノ宮が聡に好意があると気づき、別れを告げ、四ノ宮は愛を失うのでした。
藤田弘 (光石研)
右側
瞳子の職場の取引先の肉屋、弘は瞳子に、晴美が経営するスナックで美女水という高価な水を売りつけ、後日、美女水を持った弘は瞳子の家を訪れます。

2人は関係を持ち、弘は親しくなった瞳子を養鶏場へ連れて行き、自分の夢は養鶏場で稼ぐことと語り、一緒にやろう、起業のために出資してくれと頼みます。

王子様は弘だと感じた瞳子は彼に従う決意をしますが、彼を訪ねてみるとそこにいたのは薬漬けでぼろぼろになった弘の姿でした。

映画『恋人たち』見所ポイント

不条理を描いたこの作品。どんなことがあっても人は生き続けるをテーマに描かれた人間ドラマです。

※以下、映画のネタバレに触れていますのでご注意してください。

篠塚アツシ

冒頭はアツシの語りから物語がはじまります。

通り魔により悲惨な死を遂げた妻。

一瞬映る「供述書」の文字や開けようとして開けられない引き戸。

そんな不穏さのなか、真実が一気に明かされるのが役所での健康保険に関するやり取り。

観る者は衝撃を受けているなか、役所の担当者は胸三寸で一ヶ月だけの保険を渡す程度の扱い…

文句を言おうと何度も行ったり来たりするアツシの姿は見ていて辛かったです。

高橋瞳子、藤田弘

自分を否定する姑の嫌みに耐え、日々の家事に追われる日々

旦那の合図一つで無言で夫婦生活に付き合います。

光石研の演じる藤田との出会いが全てを変えること…

繰り返される日常の無表情とは対極にあるような笑顔は、はしゃいでる少女のそれと変わりません。

生きる意味は藤田だと思ってしまった瞳子。

義母が壁に張って取ってあるラップを全部引っぺがし、全てを捨てて藤田の元に駆けつけます。

しかしこの藤田はとんだ食わせ者のダメ男と知り、現実の生活とも理想の出会いとも隔たりが出来てしまいます。

四ノ宮

四ノ宮は若くして有能な弁護士として活躍していますが、あの張り付いたような笑顔とか、語尾にいちいち「じゃん」を付けるのがかなりイラッとします。

彼の背中を押して階段から落としたのは、彼氏なのか?誰かはわかりませんが…

彼氏に対する高飛車な態度を伺うと反感を買うタイプなんでしょう。

そんな彼が同性愛者であることをカミングアウトしながらもずっと友達付き合いしてきたノンケの友人、聡への思い。

しかし聡は四ノ宮の見舞いに来たりしながらも、いつもどこか上の空に見えます。

実は避けてるんだなというのがやがて分かるわけですが、四ノ宮もまた密かに思いを寄せ続けてきた聡との隔たりが決定的になってしまいます。

映画『恋人たち』

このように三者三様の物語との隔たりが描かれ、そして失われた繋がりに対して最後に3人は心の内をブチまけます。

片腕の上司黒田さんに誰にも話せなかった胸のうちをさらけ出し「カルパッチョなんてどうでもいいですよ」と叫ぶアツシ。

注射も満足に打てないヤク中の藤田に、むなしく夢と希望を語る瞳子。

聡に電話を切られた後も携帯に向かって思いをぶつける四ノ宮。

周囲からは理解されない3人が、溺れそうになりながら必死で水面に出ようとするような、魂の言葉。

そんな人物たちの物語に『恋人たち』というタイトルを付けるか!というのは深く胸に突き刺さります。

そこには幸福だけではない不幸というものも内在しているため、ある意味残酷です。

アツシが街中で見かけた立ちションカップルこそが本来の「恋人たち」でしょう。

しかしアツシにとってはそのごく普通の二人が余計喪失感を際立たせ、そして「何もできない」といって妻の位牌の前で泣くことに繋がります。

救いの光

そんな極限に達したツラさに、ほんの少しだけ差す光。

激昂するアツシの話を静かに聞き、「あなたと話せなくなるのは嫌だよ」と言う黒田さん。

いつも無言だった旦那が瞳子にぼそりと言う夫婦としての一言。

たとえ失っても思いは止められないし、そしてその思いがあるから人は生きていく。そんな「人への思い」というメッセージがタイトルには込められているのかもしれません。

だからラストに妻のいる天を指して「よし」というアツシの姿に、ささやかながら確かな前向きさが感じられて胸に突き刺さりました。

映画『恋人たち』感想レビュー

暗くて救いようもない、そんなときは多かれ少なかれ誰にもあると思います。

きっと日常が続くことで少しずつ救われるんじゃないかと思わせてくれる…

どのシーンが、というのはないんだけど、観終わったら湧いてくる小さな希望。

声高に生きるって素晴らしいって謳ってる映画よりも、僕は刺さりました。

もぐさん
もぐさん

ちなみに、ぐるりのことをつくった監督でもあります。

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