今日は芦田愛菜さんの主演映画『星の子』を紹介していきます。この映画は誰にでもある平凡な日常がテーマです。
怪しげな宗教を信じる両親のもとで深い愛情を受けて育った少女。家族と現実について疑問を抱きながら模索する様子を描いた作品です。
正直、深く重い内容でした。そこでこの記事では、ネットでも話題の宗教団体のモデルについて実話なのか、劇中のラストシーンに焦点を当て深掘り考察していきます。
映画『星の子』のあらすじ
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両親から深い愛情を注がれ育ったちひろ。
両親は、病弱だった幼い頃のちひろを治してくれた水を信じ、宗教にのめり込む。
ある日、ちひろが好意を抱いている南先生に自分の両親の怪しげな姿を見られてしまい…
映画『星の子』の作品情報
監督 | 大森立嗣 |
脚本 | 大森立嗣 |
出演者 | 芦田愛菜 永瀬正敏 原田知世 岡田将生 黒木華 |
上映時間 | 110分 |
2017年の今村夏子さんの小説「星の子」が原作
今村夏子さんは、「あたらしい娘」で太宰治賞を受賞。その後、三島由紀夫賞受賞、むらさきのスカートの女では芥川龍之介賞を受賞するなど短いキャリアにも関わらず多くの賞を受賞した経験をもっています。
映画『星の子』の監督やキャスト
大森立嗣監督を筆頭に、豪華な俳優たちがキャストとして選ばれています
大森立嗣監督
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本作を手がけたのは、俳優としても有名な大森南朋さんの兄でもある大森立嗣監督。映画祭でも数々の受賞作品を手がけてきた監督
主人公ちひろを演じるのは芦田愛菜さん
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主役のちひろには芦田愛菜さんが配役。子役時代から演技の上手さは有名ですが、大人の階段を昇る彼女の演技は更に磨きが掛かり非常に素晴らしいです
ちひろの両親役に永瀬正敏さんと原田知世さん
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本作の難しい役柄を見事に演じた永瀬正敏さんと原田知世さん。夫婦役では『紙屋悦子の青春』以来、実に14年ぶり、2度目の共演。
南先生役の岡田将生さん
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イケメンだけど性格悪いやつというキャラクターがハマっていた岡田将生さん。本作の役柄は誰にでもある価値観だと感じました
脇を固めるキャスト
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高良健吾さんと黒木華さんの「怪しい笑顔」が印象的でした。存在感や演技も一流の俳優さんです。
映画『星の子』は実話?統一教会とかエホバが宗教団体のモデルなの?
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この映画は実話であるか、宗教団体のモデルはあるのか、統一教会だったりエホバの話など話題にもなりましたが、残念ながら公式発表されていません。
本作は『ひかりの星』宗教団体に両親が傾倒していく姿を描いたストーリーになっており、実話であってもおかしくない話だと思います。
ひかりの星について
ちひろは原因不明の湿疹に悩まされている日々が続きました。ある日、同僚からもらった「金色のめぐみ」という水を持ち帰り、同僚の助言に従いその水で洗ってみると、湿疹が消え全快することに…
この出来事で両親は”ひかりの星”という宗教団体にのめり込むようになるのです
新興宗教について

先に大切なことをお伝えします。この映画は新興宗教の危うさを主張するものではありません。
世界や日本にも、宗教団体は数多く存在します。
宗教は個人の自由とされていますし、いろいろな価値観を持つことも自由です。
そんな私は無宗教なので、正直な感想を伝えると、「ちひろの両親は信じてしまうんだろう」と思っていました。
しかし星の子を観ていると、洗脳されたままの方が、幸せな人がいることも理解できます。

それではストーリーをネタバレ!
映画『星の子』信じていること
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本作は『宗教』をテーマに描かれた作品。
それを否定も肯定もしない描き方をしているストーリーが印象的。
現実問題として
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本作は中学3年生のちひろの視点をベースに振り返りながら進んでいきます。
劇中で印象的だったセリフのひとつに、ちひろの学校の友人・なべちゃんが、ちひろが飲んでいる水『金星のめぐみ』について言及するシーン。
宗教=洗脳されているイメージ
両親は騙されていて、両親を騙した人も誰かに騙されていて、その人もさらに別の誰かに騙されていて…
まさしく負の連鎖。でも信じているからこそ『騙された』という気持ちがあるのでしょう
信じたことで被害は?実害について
本作ではちひろの家庭に実害が及んでいるシーンは明確には描かれません。
しかし現実は、宗教を信じたことで家庭が貧しくなっており、ちひろの息苦しさやなんとも言えないジレンマを抱えている姿が描かれています。
映画『星の子』信じていることを否定する決定的なシーン
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信じるものを描いた本作ですが、それを否定する決定的なシーンが劇中では描かれています。
- ちひろが憧れている南先生(岡田将生さん)から否定されてしまいます
- 大友康平さん演じる、雄三おじさんが『金星の水』を水道水に入れ替える
それぞれについて解説します。
ちひろが憧れている南先生(岡田将生さん)から否定される
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南先生がちひろを家に送る時に「まじで狂ってやがる」と家の前で儀式をしている両親を指差します。
ここで彼女は初めて、家族や自分は異様な存在だと感じることに。
大友康平さん演じる、雄三おじさんが『金星の水』を水道水に入れ替える
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ひかりの星から両親を切り離すために、ちひろの姉と雄三おじさんが計画したものの、取り乱す両親を目の前にして、まーちゃんは雄三おじさんに刃物を突きつけることに
ちひろの姉は家を出ていく選択をしますが、無意識のうちに両親の味方につくことで、揺れ動く感情を描いていました
ちひろの姉の心境
両親がおかしくなったのは妹のせいなのではと思う一方で、妹思いなところもあり、心が引き裂かれそうになっている
そんな姉を見てきた本作の主人公『ちひろ』は、姉と同じような行動をしないのは、勇気がないのではなく、自分のために親が宗教を信じることになったのだと、どこか思っているのでしょう。
映画『星の子』ラストシーン
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ラストシーンは、ちひろと両親の3人で夜中に星空を眺めに行くのですが、「ここで終わるのか」と観た人の多くは感じたのではないでしょうか?

ラストは様々な解釈ができる内容。私の考察をお伝えしていきます!
ちひろに別れを告げる
両親はちひろの高校進学とともに、雄三おじさんの家から通うことを提案しようとしたのではないか。
- ちひろの進学先について遠いという言葉
- 家出をしたちひろの姉が子供を産んだ話
上記のシーンを振り返ると、ちひろの成長とともに、彼女の将来も自由に選択させることに決めたのではないかと。
一家心中する
よくネットでは多い考察ですが、ラストシーンの空気感は、どことなくそれを感じさせる終わりだからだと思います。
どの解釈にしても、ちひろと両親の間に、世界の違いや別れを感じさせる終わりかたでした。
まとめ『星の子』について
以上、映画『星の子』を紹介しました。
宗教を題材に描いたストーリーですが、現実社会において「誰にでも起こり得る」と思います。
それと、この記事を書くことにより宗教を否定しているのではありません
無宗教の僕の考えは人間の多様性を尊重し、誠実に相互理解と信頼を築くことが大切だと思います。

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